闇金を知るその2
闇金を知る
闇金の定義は何かご存知でしょうか。
金利が利息制限法を超えて高い、ではありません。ましてや見た目が派手なスーツ姿やオールバックでもありません。実は金利がゼロでも地味なスーツで七三分けで、ついでに物腰が低くても闇金は闇金なのです。
闇金の定義は、貸金業として国や都道府県に登録し営業許可を得ているかどうかなのです。
貸金業をする場合は国や都道府県に登録してのチェック・承認を受け、問題があれば是正するというのがルールになっています。
当然のように、闇金はそのような登録などしている訳もなく、利息制限法や貸金業法などを守ること無く勝手に貸金業を行っている業者が闇金と言われるものです。
金利以外の闇金の特徴は、返済に手段を選ばないということもあります。
金利が高いのでなかなか返済が出来ない人も多くいますが、そんな人には朝でも夜中でも、自宅へも職場への平気に取り立てに来るのです。電話もバンバン掛かってきますので、仕事にもなりません。
暴力的な取り立てもあったようですが、現在は法規制により当時には無かった取り立てルールも出来ています。
但し、そのルールも銀行や消費者金融には効果があっても、今でもある闇金にはどこまで通じるかは判りません。
ちなみに、利息制限法では、カードローンの上限金利が次のように定められています。
・10万円未満は年20%まで。
・10万円以上100万円未満は年18%まで。
・100万円以上は年15%まで。
闇金はそれに関係なく金利を設定しています。実際に多いのかどうかは分かりませんが、有名な金利としてはトイチで、これは10日で1割つまり10%の金利です。これは年365%となり利息制限法などは、どこ吹く風です。
更にはトゴというのもあり、こちらは10日で5割(50%!)の金利です。年では1500%以上と、1年では元金の15倍以上の金利となります。トゴで10万借りたら、1年後は金利分が150万以上!とそれだけで毎月10万以上の返済が必要という計算になるのでしょうか。
ここまでくると、金利計算が合っているのかどうかも分からなくなってきます。
でもトゴならテレビやラジオCMで良く聞く過払い金100万円というのもあるかな、という感じです。金利の差だけで100万円以上も余計に支払っている(返済している)というのは実感として理解出来ません。
10万円が手元に無くてどうしても今お金が必要で、闇金から借りて、その返済が毎月10万以上って言うのはどういうことでしょうか。話が成り立たないような気がします。
まあ、さすがにトゴというのは現実的ではないということなのでしょう。
ちょっと誤解無いように補足すると、
過払い金は闇金だけではありません。当時サラ金、今の消費者金融で有名なところも過払い金返済対象なのです。
当時のサラ金は利息制限法以上でも法的には罰則の無いグレーゾーンの金利帯があり、法的なその不備をサラ金は活用していました。
そしてそのグレーゾーン金利分から上記の利息制限法の差分が今は過払い金として、自己申告で期間限定ですが今の消費者金融から返してもらえることになったのです。
繰り返しになりますが、その金利の差分だけで100万円以上返ってくる人が1万人もいるとCMでは言っていますが、それが本当ならその1万人の人達(実際はもっと多いはず)は当時の返済には人に言えないような苦労をしたのではないかと思います。
現在の消費者金融は昔のサラ金と比べると非常にクリーンで透明性もあり、一般の人でも安心して利用することが出来ます。それは確かです。
ただ、サラ金当時の痕跡は今でも残っています。
その痕跡の代表的なものが、総量規制です。
これは、消費者金融からの借金は年収の1/3以下、というもので、当時サラ金から多くを借りすぎて返済出来なくなった人が増えたことからその対策として出来た法律です。
対象は消費者金融だけで、銀行は総量規制の対象外です。このところが、サラ金当時の痕跡が今でも残っているところと言えるでしょう。
総量規制を確実に行うために各消費者金融は共通のデータベースを持っており、各消費者金融に申請した個人情報はそこで一元的に管理されています。
そのため、消費者金融Aで年収の1/3を借金した人は、ごまかそうとして今度は消費者金融Bに申し込んでも他に借金があることがすぐにバレてしまい、後はもうどの消費者金融に申し込んでも最初の借金の返済が進むまで借金は出来ません。
尚、総量規制の対象外である銀行からの借金はいくらあっても関係なく、例えば銀行からの住宅ローンやマイカーローンなどは、平気で年収以上の借金をすることが出来ますし、
そんなローンがあっても、消費者金融からは別に年収の1/3以上借金出来るという、分かりにくい仕組みになっています。